Japanese Language Education Seminar
グローバル時代のシティズンシップ教育としての日本語教育:理論と実践
概要
グローバル時代を迎え、国と国の関係が緊密になるとともに利害の対立も激化しています。また各地で様々な人々と接することが当たり前となる中で、人々の格差、対立などが深刻なものとなっています。これはこれまでの国民教育の限界を物語るものであり、それに変わる新たな市民の教育(シティズンシップ教育)の必要性が高まっています。
一方、第二言語教育もまた、単に言語を教え、コミュニケーションの力を育成するだけではなく、他者の文化を正しく理解したり、言語と文化を理解する能力を基盤に、様々な差異を乗り越え、ともに生きる道を模索するための教育としてのニーズが高まっています。
本講演では、グローバル時代に求められるシティズンシップ教育と、第二言語としての日本語教育が果たす役割について、理論と教育実践の両面から考察していきます。M. ByramやA. Oslerなどの理論の紹介だけではなく、東アジアがともに生きるために私が長年取り組んできた実践などを紹介しつつ、課題解決をめざしたいと思います。
講演者 :森山新 教授(お茶の水女子大学)
司会進行 : トムソン木下千尋 教授 (ニューサウスウェールズ大学)
セミナー使用言語
日本語
森山 新(もりやま しん)
お茶の水女子大学人文科学系教授、文学博士(日本語教育)
1990年代に韓国の弘益大学、世宗大学等において日本語教育に携わり、教員をつとめつつ両国がともに生きる道を模索するようになる。帰国後は日韓大学生の交流に始まり、現在では東アジアがともに生きるために、国際学生フォーラムや複言語・複文化教育プログラム、テレビ会議を用いた国際合同遠隔授業などを行う。2018年には北東アジア言語教育研究会を結成。東アジアがともに生きるための第二言語教育のあり方を理論と実践の両面から考えている。オーストラリアとはUNSWと協定を締結、日本語教育実習に毎年院生を派遣している。
主な書籍:『第二言語としての日本語習得研究の展望:第二言語から多言語へ』『日本語多義語学習辞典』『日本語教師のための応用認知言語学』『グローバル文化学—文化を越えた協働』
主な論文:間文化的シティズンシップ教育としての日本語教育、日韓の共生をめざす日韓大学生国際交流セミナーと教師の役割など多数。
SEMINAR DETAILS
March 16, 2020 (Monday)
6:30pm-8pm, doors open 6pm
VENUE
The Japan Foundation, Sydney
Level 4, Central Park
28 Broadway, Chippendale NSW 2008
Admission
Free, limited capacity.
Bookings essential.
Enquiries
(02) 8239 0055
Presented by